こんにちは、mavi 編集部です。
今回は経営者でありつつ投資家としてもご活躍されている吉川興造さんに、成功の秘訣についてインタビューをさせて頂きました。
はい、よろしくお願いします。
ダメ元で吉川さんの会社の方にインタビューのオファーをさせて頂いていたので、まさか出演をご快諾頂けるとは思っておりませんでした。笑
とんでもないです、むしろレスが遅れてしまい申し訳ありません。
あまりこういった取材に慣れていませんが、何でも聞いて下さい!
Q,普段はどんな一日を過ごしているんですか?
普段はどのような一日を過ごされているんですか?
今は投資家としての活動がメインの為、私の一日はスケジュール帳を開かず説明できるぐらいシンプルなんです。
アメリカの市場がだいたい日本時間の朝 5 時から 6 時ぐらいまで開かれてるのですが、朝 7 時には起きて情報を洗い出します。
日本市場の寄付 9 時までに戦略を立てて、引けの 15 時にはトレードを終了する事が多いです。
ナイトセッションが開始される 16 時頃にもモニター見てますが、その時間は子供や家族との時間を大切にしたいのであまりトレードはしませんね。
外国の指標が 21 時付近に発表されるので、そこは慎重に見て大きな動きが見られなければ 24時頃には寝てしまいます。
粘るときは深夜 3 時頃まで粘る時もありますね。
週に 1〜2 日は会社へ出勤し、3 時間程で仕事を済ませます。
それ以外は自宅でトレードを行ったり、トレードの合間に仕事を済ませる事が多いです。
以前もテレビやビジネス誌の取材を少しだけお受けさせて頂いた事はあるのですが編集権が私にはなく…
視聴者や読者に面白おかしく伝える内容にされてしまった苦い経験があり、その後も何度か様々なメディアからオファーは頂きましたが避けて来ていたんです。
ですが、自分の経験や今まで僕にとってヒントになった要素を伝える事でこれから経営者や投資家を志す方々の背中を押したり僅かでも参考になる事があればと感じ今回お受けしました。
Q.吉川興造さんの生い立ちを教えて下さい
出身 | 大阪府 |
生年月日 | 1975/06/16 |
経営されている業種 | 人材派遣業、美容店舗運営(東京・大阪・千葉)、不動産賃貸業(主に商業ビルの賃貸) マーケティング業、IT コンサルティング業、投資管理業、その他ベンチャー企業や飲食店等に出資(ファウンダー) |
大阪府にて製造業を営む祖父母、同社の製造部長であった両親の次男として生まれる。
会社の事業の都合で地方を転々とし、15 歳で全寮制の高校へ入学。
18 歳で大学進学と共に上京。
大学卒業後は大手製造機器メーカーに勤め、システム技術の開発と営業に従事。
幼少期のエピソード等はございますか?
大阪出身です。
大阪と言っても奈良との県境にある生駒山付近の自然の多い街で育ちました。
お笑いが身近にあり、やはり人を笑かす事が好きで勉強もせず笑いになる事ばかりを探してました。
あと、昔から「データ」の価値を感じる子どもでした。
7〜8 歳ぐらいの頃、よく近所のおじさん達がラジオで競艇や競馬の実況を聞きながら新聞紙を広げ、当日のレースを予想するために直近のレース結果を振り返っているのを目にして…
そこで、よく新聞紙をかき集めて今までのレース結果をまとめたノートを作り、おじさんたちに渡してましたね。
それを繰り返すと、おじさんたちがお駄賃としてジュースを買ってくれるようになりました。
当時の小学生からしたらお店で買うジュースなんて高級品でしたからね。
そこらへんに新聞紙として落ちてる「データ」は、集めればジュースと交換できるほど価値のあるものなんだと気付きました。
それからは「数字」に興味を持ち、会計に関することから統計学まで好んで学びました。
幼少期からこのような発見があったのですね!
はい、人間関係に悩む時期もあったからこそ、今でもお笑いに興味を持ったりロジカルなものに惹かれるのかもしれません。
Q.なぜ経営者を志したのですか?
祖父が亡くなる前後で当時オイルショックにより経済が大混乱に陥り、祖父の会社も社長の座を吉川家以外の人間に譲る形になりました。
会社人間だった父は祖父の会社で社長になる事に奮起し必死に働きましたが、志半ば 46 歳という若さでこの世を去りました。
昔から亡き祖父の会社での父の苦労と家族や会社の確執を傍で見ており、当時は子どもながら時代に反旗を翻す覚悟で起業を志しました。
Q.上京されてからはどのような経験をされましたか?
大学進学と共に上京しました。
大学卒業後は大手製造機器メーカーに就職し、プログラマーとしてシステム技術部に配属となり、製造機器に必要なプログラミングをメーカーに提供する仕事を担当しておりました。
その後、会社の営業コンペを機に営業職を任され、そこでの経験はヘビーなものでしたが後々の自分にとって非常に価値のあるものになった気がしています。
当時はまさに「営業は足で稼ぐ」時代です。
朝から晩までむやみやたらに外回りを強要され、はじめの頃は見込みクライアントとなる企業に飛び込み営業をする日々でした。
私は人付き合いがあまり上手ではありませんでしたから、当時は会社に寝泊まりをして必死に成果を求めて努力をしていました。
それでもベテランの営業マン達の成績には追い付く事が出来ず、人とは違う自分だけの営業方法を必死に考え「データ活用」を営業に用いました。
成約済みの顧客リストを洗い、ニーズのあるユーザーの属性やエリア、よりパーソナルな情報をかき集めてはデータとして保存し、不格好ながらも「クライアントデータベース」を構築しました。
今の時代ではこのような取り組みは一般的ですが、当時は誰もこのような営業は行っておらず、画期的だったと自負しています。
その後データから様々な仮説を検証。
自分の中で営業の勝ちパターンを作り出す事が出来たおかげで営業コンペでも全社員トップに、営業本部への異動も実現しました。
しかし、その経験から最も価値を感じたのは結果ではなく…自分の営業スタイルが間違っていないと確信出来た事です。
その後、チーム全員が「データ」を活用するようになりました。
「足で稼ぐ」営業スタイルからデータマーケティングを活用した新しい営業の形をチームに、さらには会社全体に浸透させる事が出来たのです。
自分の意思決定と行動で組織を動かす事が出来る「楽しさ」は、今まで感じた事のないヤリガイに満ちたものだと気付きました。
それからはもう、起業の事しか頭にありませんでした。
Q.経営者となられてからはどのような経験をされましたか?
営業本部に移動してから 2 年間、チームで成果を上げ続けた後に株式会社フロンテイアを設立しました。
時代の後押しもありスタートアップ企業にしては業績も順調でそれなりに利益を残す事が出来ました。
しかしワンマン過ぎる経営に意見のズレが生じ、人間関係の摩擦によって同社を離脱する形となりました。
現在は株式会社 Beauty Works Japan を立ち上げ、美容部門や不動産賃貸業、マーケティングやコンサルタントなどのサービス等のビジネスを展開しています。
そうですね。
確かに今まで多くの事業を立ち上げましたが、今まで情熱を持って支えてきてくれた大切な部下たちに会社を託したいという考えから、会社内部で仕組みを作り全て引き継ぎました。
上記に述べた株式会社 Beauty Works Japan も優秀な後任にバトンタッチするつもりです。
Q.投資にも「データ」は活かされていますか?
もちろんです。
大学時代に統計を学んでいた頃に「歴史と相場は繰り返す」なんて格言を目にした事を覚えてます。
人間の行動心理ってのは不変だから、そんな格言が今でも活きてるんですよね。
「相場は繰り返すのではなく、韻を踏む」という事を立証出来ているのもまた、データがあるからこそだと思います。
投資は過去からデータを分析して未来を見通します。
世界一有名な投資家はこれを【車のバックミラー】に例えていたりします。
フロントガラスから相場の未来を覗こうとしてもよく見えないから、バックミラーで過去の軌跡を分析しなさいって事です。
すると相場の先行きも見えると。
これって投資以外にも言える事だと思うんですよね。
例えば、古くはダヴィンチが絵画にデータを取り入れ、アートをサイエンスで解き明かす試みが行われていました。
また、現代では今世界中でコロナウイルスが蔓延し、度重なる緊急事態宣言によって外出できず多くの人がストレスを感じていますよね。
ロックダウンするべきか?するとしたらその効果の影響レベルは?
これらも全て人間の行動データを元にデータサイエンスを活用して意思決定が行われていると聞きました。
このように投資に関わらず多くの意思決定はデータを用いて行われるべきです。
成功しているというのは非常に曖昧で定性的な表現です。
幼少期に新聞紙をかき集めてデータとジュースを交換した事とデータを活用していい営業成績を収められたこと、
会社経営にデータドリブンな考えを浸透させ大きく展開できたこと、
投資家として日々チャートを眺めてる今の自分。
確かに今まで全てでデータを活用してますね。
成功の秘訣とは思わないですが…今までの僕を導いてくれたものであり、情報化社会の発展に伴うビッグデータの可視化や消費社会における価値観の多様化、顧客行動の複雑化が進む現在、そしてこれからも経営者や投資家として歩む私にとって必要不可欠なのが「データ」なんだと感じています。
ありがとうございました。
インタビューを終えて
インタビューを終えて、吉川さんの物腰の柔らかさ、謙虚な振る舞いに驚きました。
普段インスタグラムで拝見する吉川さんはまさに「成功者」という印象でしたが、実際に会ってお話をさせて頂くと、非常にロジカルに物事を考え、知識レベルの低い私に合わせて会話をして下さる親切心を持ち合わせた聡明な方でした。
吉川さんがインタビューの中で最も重要に感じていらっしゃると仰っていた【データドリブン】は様々なビジネスでの意思決定や課題解決などを行う為のプロセスとして有効的に活用出来ると感じました。
最後にオススメの本をお訪ねしたところ、「本当に解くべき問題を見極め解の質を上げる」というロジカルシンキングの基本が身に付き、論理的思考力やアウトプット力が伸びる…シンプルながらもビジネスの課題をロジカルに問題解決するための参考書のような本だという事で『イシューからはじめよ』という本をご紹介頂きました。
この分野ではかなり有名な本だと仰っておりましたのでご存知の方も多いかもしれません。
私もタイトルは聞いたことあったもののまだ読んだ事がなく…ですが、今回吉川さんのお話を伺い私もすぐに手に取り読みたいと思いました。
「圧倒的に生産性の高い働き方」を学びたい方はぜひ!
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